笑うタヌには福きたる

白血病でも毎日笑って暮らす、3児の母ちゃんの日常を綴ります。

【ごめんね…ママ白血病になっちゃった】子どもを残して入院する母親の現実

 

 

 

よくある医療ドラマのように、

 

「命の危険がある病気です。今すぐ入院が必要です。」と突然医師に告げられたら、あなたはどうしますか?

 

その人その人で、いろいろな状況、立場、心情がありますよね。

 

私はごくごく平凡な、三人の子持ちアラフォー専業主婦。

 

女性として、母親としての立場から、子どもを残して入院するということはどういうことなのか?

 

今回は、同じ状況になった方の参考に少しでもなれたらいいなという思いで書かせていただきます。

 

f:id:tanucomama:20200222214236j:plain告知される前日に撮ったお散歩での写真。この日までは平和でした…

 

 ごめん、ママ白血病になっちゃった…

 

前回の白血病の記事では、発症から告知までをご紹介させて頂きました。 

tanuco.hatenablog.com

告知を受けた病院を後にし、実母と別れ、自宅で2歳の次女と自宅で待機していました。(抜け殻のようになりながら)

 

夫は仕事をなんとか切り上げて、もうじき帰って来る。

 

しかしそれよりも先に、当時小学4年生の長女、6年生の長男が先に帰ってきました。

 

私は、

ふたりの顔を見るなり号泣してしまいました。

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 本来なら、夫が帰ってきてから落ち着いて話をしなければならなかった。

 

親として、子どもを不安にさせないように、冷静に話をしなければいけなかった。

  

ですが、未熟な私にはそれは無理な話でした。

 

「ごめんね…ママ白血病になっちゃった…」

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 泣き崩れた母を見て、これは冗談ではないと悟った長男と長女。

 

二人とも瞬時に状況を理解して、涙を流し、呆然と立ち尽くしていました。

 

長男「○○(タヌ子弟)と同じ白血病なの…?なんで…?ドナーやったから…?大丈夫なの…?治るの…?」

 

二人の心内は痛いほど伝わってきました。

 

白血病がどんな病気で、どんな過酷な治療をするのかを知っています。

 

髪の毛が抜けて、ガリガリに痩せて、皮膚が剥がれ落ち、歩くのもままならないくらいボロボロな身体になることも知っています。

 

そしてそんな治療を乗り越えても、治らなかった人の姿を知っています。

 

かっこよくて優しくて大好きだった叔父さんが、白血病という残酷な病気の為、以前とは別人のように変わり果ててしまった姿に衝撃を受けた二人。

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亡くなる数ヶ月前、最後の一時退院で叔父さんと会えた際の写真(実家にて)。立っていられない体力のはずなのに、子ども達の前では無理して元気に振舞っていた弟。変わり果てた顔も必死に隠していましたが、子ども達はそれもお見通しで、後にその姿がショックだったと話してくれました。まさかこれが最後になるなんて…

 

叔父さんの納棺式では旅支度の手伝いを立派に努め、骨になるところまで、決して目を逸らさずに見届けた子ども達。母親の私よりも、しっかりしていた気がします。

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 そんな悲しくも貴重な体験をしてしまったばかりの彼らは、「死」というものをあまりにもリアルに、重く感じ取っていたはずです。

 

ママが死んじゃったらどうしよう…

 

こればかりが頭の中を巡っていたことでしょう。

 

それが嫌というほど分かっていたし、自分自身がその不安を拭う為にも、こう答えました。

 

「二人とも、○○(タヌ子弟)を見てたから分かると思うけど、ママはこれから何ヶ月も入院しなきゃいけないんだ。ママも寂しいし、皆も寂しいし、お家の事も大変になっちゃうね、本当にごめんね。

 

でも、絶対治すからね。三人の孫を抱っこするまでママは絶対に死なないからね。

 

だから、ママが帰ってくるまで、パパと○○(次女)ちゃんのこと助けてあげてね。」

 

長男・長女「ウン…」

 

 三人で抱きしめ合いながら、涙で顔がグチャグチになりながら話をしました。

次女がこの時どうしてたか記憶がありません(^_^;) 空気読んで、おもちゃで遊んでたのかな?

 

 その後二人は、私の「絶対治すから」を聞いてちょっとホッとしたのか、普段どおりの様子に戻りました。

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 その時の実際の写真。何事もなかったかのようにタブレットで動画鑑賞する長男。実際は動揺を必死に抑えてたのかもしれませんが…

 

そして…夫が帰ってきた

 

やっとこさ登場、我が夫です。

 

これほどまでに蚊帳の外になる一家の大黒柱がいるであろうか(^_^;)

 

いやはや、今考えると申し訳ない。告知が特殊なケースだったもんで…

 

この頃にはだいぶ私も落ち着いていて、夫には冷静に話をできたと思います。

 

夫は、

「自分がもっと早く病院に行かせるべきだった。本当にごめん」と謝るばかりで。

私は私で、病気になってごめんと謝っていました。 

 

しかし私たち夫婦には、悲しみに打ちひしがれている時間などなく。

 

何よりも、これからどうするか?を話し合わなければなりませんでした。

 

 

ママが家からいなくなるということ

 

2歳の次女はどうする?

 

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まず一番の問題がこの子をどうするか。

 

普通なら真っ先に、保育園の手続きを考えるはずです。

 

私も告知後すぐ、夫に会う前に義母と実母に相談しました。

(告知後、病院からすぐ近くの義実家に寄りました)

 

すると、義母も実母も

「ママと離れ離れになるだけでも可哀相なのに、突然保育園に入れられるなんて…きっと、おかしくなってしまうよ。私たちが交代で面倒見るから心配しないで!」と提案してくれました。

 

なんとありがたいことか…

 

両実家が近かったことは、本当に不幸中の幸いでした。

 

 

小学生二人はどうする?

 

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4年生と6年生。なんでも自分でできる年齢ではありましたが、やはりまだまだ子どもです。 

 

朝は大人が起こさないと起きられないし、習い事の送迎も必要です。

 

母親がいなくなるにあたり、小学校生活を送る上でどうフォローしてあげるべきか、あらゆる場面を想定して考えました。

 

 夫が仕事の日の朝は?

 

仕事が不定休の夫。

 

平日休みの時はいいのですが、仕事の日の朝は早い。

 

当時は、早朝5時半には家を出なければならない職場でした。

 

その為、実母&義母が交代で早朝5時に来てくれることに。

 

小学生だけなら、起きる時間に来てもらえばよかったのでしょうけど、

 

まだ2歳だった末っ子はまだまだ夜泣きもしていましたし、

 

大人がひとりもいない時間があってはならないと気を遣ってくれました。

 

また、夫は帰りも遅く、21時を過ぎる事もしばしば。実母義母には、夫が帰ってくるまで滞在してもらう事になり。

 

早朝5時から約16時間…交代制といっても、高齢の二人にはしんどいだろうなぁ…と。

実際生活が始まったら、やはり大変だったようで…実母義母は身体も心も疲弊して、いろいろトラブルもありました。「家族は第二の患者」という所以はここにあります。

 

でも、お願いするしかないのです。私はお願いできるだけ幸せなのですから。

 

実家が遠い方、身寄りのない方、シングルマザーの方など…本当に大変ですよね。

haredama.me

↑この方の記事がとても分かりやすかったので、ご紹介させていただきます。勉強になりました。

 

 

学校への連絡 

 

小学校の担任の先生に、自分が白血病にかかり長期間入院することを電話で連絡しました。

 

今までのように、毎日連絡帳をチェックし、持ち物や宿題の面倒を見る事に限界があること。

 

亡くなった叔父と同じ病気になった母親の事で、精神的に不安定になるかもしれないということ。

 

また、学校の役員関係の仕事の免除などもお願いしました。6年生は他の学年よりも学校に係わる機会が多い。

 

先生方は、全力でサポートすると仰ってくれました。

 

信頼できるママ友達の協力

 

私が心から信頼しているママ友は三人います。

 

習い事の送迎を協力し合ったりもしていたので、

 

そこの部分で助けてほしいとお願いすると同時に、学校からのお便りで注意が必要な部分のサポートをお願いしました。(提出物、持ち物や行事など)

 

慣れていない実母義母はもとより、おそらく生活に余裕がなくなるであろう夫に、学校のお便り管理は大変だろうと容易に想像できたからです。(実際そうでした)

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ママ友達の協力は本当に本当に絶大で。

 

送迎はもちろん、お便りの連絡は逐一入れてくれたし、

 

授業参観や運動会は、写真や動画を撮って送ってくれたり。

我が子以外の子まで撮るのって大変だと思います。

 

球技大会や遠足の日は、うちの子達のお弁当まで作って届けてくれたり。

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時には夕飯のおかずを届けてくれたり、夏休みには子ども達を一緒に遊園地やプールに連れて行ってくれたり。

 

どれも、仕事の夫や高齢の実母義母ではできないサポート。

 

本当に、涙が出るほどありがたかった。

 

持つべき物は友達だと、しみじみ思いました。

退院した今でも、事あるごとにフォローしてくれる友達です。

 

 

習い事の整理

 

当時は、

 

■習字(長女)

■ピアノ(長女)

■公文(長男)

■英語(二人)

 

…を習っていたふたり。 

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習字、ピアノ、英語はママ友と実母義母の送迎でなんとか続けられましたが、

 

公文だけは辞めさせる事になってしまいました。週二回だった事と、待ち時間が長い事もあり、サポートが難しかった事が理由です。

 

我が家の習い事は全て、本人達がやりたいと言ってはじめたもの。親の病気で辞めさせることが申し訳なくて。

 

長男は「ちょうど飽きてきたところだったから全然いいよ。気にしないで!」と言ってくれましたが…

 

ほんっとにいい子だよね、君は。いい子すぎて泣ける。ごめんね(;_;)

 

 

病室⇔自宅をつなぐ方法を考える

 

入院したら、少なくとも半年は退院できない。

 

血液内科は無菌病棟。子どもの立ち入りは禁止なので会う事ができません。

 

一時退院を間に挟むとしても、母親の姿が無くなるという不安を、少しでも取り除いてあげたかった。

 

と同時に、自分自身も子どもの顔を見られないことが一番辛く、耐えられないだろうと考えていました。

 

そこで私が真っ先に調べたのは、料金のかからないビデオ電話を可能にする格安SIMLINEモバイルです。

mobile.line.me

 

今では他にもっといい方法があるのかもしれませんが、当時の私達はこのLINEモバイルのおかげで本当に助かりました。

 

なんと、LINEサービスが使い放題なんです。

 

いくら通話しても、ビデオ電話しても、大量の写真や動画を送っても。

 

LINE内なら全てカウントフリー!

なんか回し者みたいになってきた。笑

 

入院してすぐ使えるように、すぐさま申し込み手続きをしました。

 

便利なので今もそのままスマホに入れて使っています。

 

 

まとめ

 

子どもを残して母親が家からいなくなるという生活は、

 

何が起きて何が足りないのか、始まってみないと分からないものです。

 

それでも自分がいる間に、家族が困らないよう少しでも準備をして闘病に臨みたい。その一心でした。

 

闘病を経験されている方は、ここまで読んで

 

「え?いろんな手配ができるなんて、随分余裕あるな。白血病で告知されたら即日入院じゃないの?」

と感じられたはず。

 

そうなんです、実は私、告知されてもすぐには入院にならなかったんです(^_^;)

 

その辺については、また次回ご紹介させてください。

 

それでは、また(^^)

 

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告知数日前のママの誕生日。長男長女で協力して作ってくれたバースデーケーキ。美味しかったな。