笑うタヌには福きたる

白血病でも毎日笑って暮らす、3児の母ちゃんの日常を綴ります。

【まさか私が白血病!?】ドナー経験者が発症、医師も投げ出す稀なケースとは?

こんにちは、タヌ子です。

 

やっとこさ、白血病発症の記事に辿り着きました(^_^;)

 

弟の事が悔しくて、まだまだ書きたい事はたくさんあるのですが…自分の闘病記がなかなか書けなかった(^_^;)

 

弟については自分の闘病記に絡めつつご紹介していきたいと思います。(骨髄性、リンパ性の違いや病院の違いなど)

 

2017年4月17日。その後の人生が大きく変わる、運命の採血検査

 

こちらの記事でも時系列で簡単に説明しておりますが、

 

tanuco.hatenablog.com

 

2017年2月に胃腸炎にかかり、しかも弟が亡くなった病院の救急にかかった為、

「2ヶ月前に弟が白血病でここで亡くなり、私ドナーもやってるんです。血液検査してください」と頼んで採血したのですが、

 

血液疾患は見当たらない。ただの胃腸炎

 

という結果。ホッと胸を撫で下ろし、事なきを得ました。

 

が…

 

ずっと体調不良ではあったのですが、3月に入る頃には毎日とにかくだるいし身体が思うように動かせない。

動悸がしょっちゅう起きる。普通の家事でも目まいやふらつきが起きる。近所のスーパーでさえ、まともに歩いて買い物ができない日が増えてきて。

 

なんかおかしい、なんかおかしい。

 

これも弟の死による影響か?と思いつつ。

 

春休みの3月後半に、家族5人で初めて飛行機で大阪に旅行するという大イベントが待っていたので、

 

「大阪が終わったら病院に行こう」と決めていました。

 

今思えば、おそらくこの時すでに白血病を発症していたんだと思われます。

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 USJではしゃぐ母子。末っ子をずっと抱っこして慣れない大阪の電車とか乗ったりして…知らないって怖いなと思いました。でも、行っておいてよかったとも思いました。

 

 無事に大阪旅行も終わり、新学期が始まって少し経ったころ、実母のかかりつけの病院にかかる事にしました。

 

実母は軽い心臓病と、橋本病を患っています。母方の家系は、バセドウ病やリウマチなど免疫疾患が多いので、私も自分の症状からバセドウ病を疑っていました。

 

そのことを医師に説明し、採血検査。一週間後に結果を聞きにきてねと言われて帰りました。

 

ところが…

 

採血翌日、病院からまさかの電話が鳴る

 

翌日の午前中、看護師さんから電話が。

 

「先生が今すぐ病院に来れますかと仰ってます」と。

 

私は、何か見つかったんですか?電話でもいいですけど。と悠長な返事をしていたら、電話の相手がすぐさま医師に変わり、

 

「いいから早く来て!電話じゃ話せないから!」とちょっと焦った口調。

 

なんだろう?やっぱりバセドウかな?家族呼べとか言われてないし、まさかね、白血病なんて事ないよね。なんて言いながら、実母に末っ子を預けて病院へ。

 

診察室に入ると、医師がまずこう口を開きました。

 

「ええっとね。昨日の採血だけど、血液の数値に異常がみつかったので急いで連絡しました。あのね。

白血球が、20万あるの。」

 

 (°д°)…は?

 

私「せ、先生…。2万の間違いじゃないですか…?」まさに震え声ってやつです。

 

医師「いや。20万。ほら、見てここ。あと血小板も異常に多い。」

 

私「あの…甲状腺の病気かなと思って受診したんですが、甲状腺異常で白血球が増えるとかは…」

 

医師「いや。20万なんて数値はありえないね、甲状腺じゃ。とにかく大きい病院今すぐ行って、詳しい検査受けて!」

 

私「先生、実は弟を4ヶ月前に白血病で亡くしてるんです。その時ドナーもやって、グラン何度も打ってるんです。その影響とか考えられないですか?」

 

医師「とにかく、こんな個人病院じゃ分からないから!どの病院がいいか決めて!」

 

 

…堅物で有名な年配の先生。私の動揺を無理やり押さえ込んできました。

町医者に白血病疑いの患者が来たら先生もビックリするでしょうね。笑

 

ここで掲示された病院は三つ。やめときゃいいのに、弟の亡くなった病院を紹介してもらいました。

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 ※イメージです

 

あれだけ弟の時、悔しい思いをしたくせに。でも人間とは不思議なもので、冷静さを失い動揺すると、少しでも安心を求めてしまうものなのでしょうか?

顔なじみの医師がいるという理由だけで病院を選んでしまったのかもしれません。

 

それにしても白血球20万て。フリーザの戦闘力かよ。フリーザは53万です。

 

ありえない数値、まさに青天の霹靂。

 

 

実母宅で夫に連絡「ごめん、私白血病かもしれない…」

 

末っ子を迎えに実家へ。

 

実母は顔面蒼白。そりゃそうですよね。「ドナーやったからだ…あの注射で白血球が増えたんだ…」と口走る母。

 

ネットで「白血球 20万」で検索すると白血病しか出てこないし。

激しく動揺しつつ検索してる私…どこか他人事だったのか、信じたく無かったのか。

 

「大丈夫よ、きっと違う病気だよ!勝手に重病人になっちゃダメよ!とにかく三人で病院行こう!」と必死に私を励ます実母。

 

そうだ、仕事中の夫に電話しなければ。やっと思い出す。

 

電話口で夫の声を聞いたとたん、泣き崩れる私。

 

「ごめん…私白血病かもしれない…これから生活大変になる…迷惑かけてごめん…」

 

慌てながらも信じられない、という反応の夫。

すぐには仕事を抜けられない事はわかっていたので、あとでハッキリしたらまた電話すると切りました。

 

というか、

告知前に完全に白血病だと悟ってました(^_^;)

なかなかこんな人、いないんじゃないかな。笑 ←今だから笑える。

 

病院までの運転中、末っ子はどうする、学校はどうする…お金は足りるのか…グルグルといろいろ考えてました。不思議と死ぬ事は考えていなかった。  

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 いやしかし…よく自分で運転して行ったなと思います。

 

まさかの!弟を看取った主治医に診断拒否される

 

慣れ親しんだ?弟の病院の血液内科。

 

約2年、共に戦ったいわば戦友の医師と看護師さん。

 

弟が一番信頼していた主治医は、医療ミスに近い形で弟が亡くなる直前に辞職した為、

 

亡くなる二ヶ月前くらいから医局部長が主治医でした。この先生は家族も私も本当に信頼していて。

 

もう助からないであろう弟の治療法を必死に探して下さり、患者に寄り添って考えてくれる先生でした。弟が脳出血を起こした時も、寝る間も惜しんで必死に立ち回ってくださったし、亡くなったときも一緒に泣いてくださった。

 

この先生に会いたくて、「大丈夫だよ」と言って欲しくて、ここに来たと言っても過言じゃなかった。

 

ところが…

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別の医師「すみません。K先生が、お姉さんに会いたくないと申しておりまして。かなり動揺しているようで。本当に申し訳ありません。代わりに私が…」

 

…(°д°)は!?二回目。笑

 

そんなことってある?!

 

一緒に泣いたあの日はなんだったの…医師が動揺して会えないって…私どんだけヤバイの…

 

告知前に更にショックを受けた事は言うまでもありません(T_T)

 

 

再度採血。結果は、「急性リンパ性白血病

 

その時の採血結果がこちらです。

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 説明してくれた医師も顔なじみで。(血液内科は医師がたったの3人だった)

 

医師「お姉さんはもう病名についてお分かりかもしれませんが…我々も驚きを隠せないのですが…

 

信じられない事に、残念な事に、これは完全に白血病です。

 

慢性だったらいいなと思ったんですが、芽球の数値から見ても急性ですね…。本当に信じられません。私としても、病院としても初めてのケースです。」

 

 私「はあ…」

にわかに現実だと思えない。まだこれは夢なんじゃないかと考えながら聞く私。

 

医師「お姉さんが一番気にかかってると思うんですが…一年前に抹消血ドナーをされましたよね。今回の発症に影響があるかどうかですが…」

 

▼ドナー体験記はこちら 

tanuco.hatenablog.com

 

 

医師「弟さんは骨髄性お姉さんはリンパ性。癌化する場所が違いますし、グランを投与した事で万が一にでも発症リスクがあるとすれば骨髄性白血病です。関係性は明らかになっていませんが、そういう方が僅かですが実際いらっしゃいます。

※ドナー手帳には書いていなかった事例判明。信憑性は分かりません。

 

なので、今回の発症はドナーになった事が原因だとは考えにくいです。白血病は遺伝性ではないと言われていますし」

 

医師の畳み掛けるような説明が続きました。

死んだ魚のような目でそれを見つめる私…

 

そして…

 

「我々では自信がない」大学病院送りにされる

 

その医師はさらにこう続けました。

 

医師「大変言いにくいのですが、当病院は骨髄性の症例数は多いのですがリンパ性は症例数も少なく、はっきり言って自信がありません

 

近隣ではリンパ性に最も強い大学病院で治療することをお勧めします。お姉さんも、弟さんが亡くなった病棟で治療を受ける事は辛いでしょうし、私たちもそれは同じ思いです。いかがでしょうか?」

 

 

…(°д°)はあ。三回目。笑

 

 

この時一瞬、家族の負担を考えました。

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弟の病院は、自宅からも実家からも近い。義実家はなんと車で2分の距離。弟のお見舞いの都度、義実家にいつも末っ子を預けていたので、その近さが家族にとってはありがたかった。

 

ですが、

 

実は弟は病院の都合により、件の大学病院に一週間程度入院したことがあるのです。救急車で移送されて。私が入院した時も、弟を覚えている看護師さんが多数いました。

 

その時に、大学病院側は「移植がおわるまでここで治療してもいい」とのお話だったのに、

 

弟が

「通ってくれる家族の為にも近い病院がいい。もとの病院に戻りたい。自分も慣れたスタッフがいい。」と戻ってしまったという経緯があるのです。

 

その後、再移植→急性GVHD脳出血という経過を辿るわけですが…

 

これには今でも、実母も私も兄達も大後悔!!

 

あの時、大学病院で再移植を受けていればもう少し命が永らえたかもしれなかったのに、と。

 

それを急に思い出し、隣にいた実母に

 

「お母さん、ごめん。遠くて大変だけど、わたし絶対治したいから、大学病院に行くわ。迷惑かけるけど。」

 

実母は涙ながらに

「当たり前でしょ!遠いとか関係ない、あんたが治るならお母さんは大学病院だろうが国立がんセンターだろうが、どんなに遠くてもどこだって通うよ!治してもらえる病院に行くことが一番大事だよ!」

 

ありがとう、お母さん(/_;)

 

てなわけで、

 

 

夫不在のまま、話はどんどん進んでいくのでした…(^_^;)

夫よ、ごめん。

 

 

最後に

弟の病院の医師が最後に言った言葉とは。

 

長くなってしまいました。

 

大学病院に行ってからについてはまた別記事にしようと思います。

 

 

最後に、この時の医師が別れ際に言った言葉が今でも心にモヤっと残っているので書かせてください。

 

 

医師「大変珍しいケースなので、我々としてもお姉さんの治療経過など参考にさせていただきたいので、今後も大学病院にちょくちょく連絡させていただきますね。是非とも勉強させてください。

 

 

はあ( º言º)!?

↑実母の顔。笑

 

私は心ここにあらずでしたので、「ああ、そうですよね、ご自由にどうぞ…」っていう反応でしたが、

 

 

実母はかなり怒ってました(^_^;)

今までの信頼関係が崩れる音がしました…ガラガラガラ…

 

参考にするのは別に構わないけど、たった今白血病だと告知された患者にソレ言う?と今考えるとモヤっとします。

 

 

治してくれる病院を選ぶ。そして患者家族は「第二の患者」

 

結局、患者にとって最も大切な事は、

 

「治してくれる病院を選ぶ」ことが最重要だと。

 

当たり前のようで、実はこれが難しい。若くして癌で亡くなった家族が他にもおりますが、やはり後で後悔しました。

 

 

奇しくも、弟の死によってそれを教えられたと実感しています。

 

自分の入院中も、

 

弟の闘病を間近で見ていたおかげで、ある程度治療の予測ができました。

もちろん弊害もありましたが…治療の恐ろしさを知っていると言う…

 

このブログは、趣味垢からも多くの方に遊びに来ていただいています。

いつもありがとうございます(*ˊᵕˋ* )

 

なので、誰にでも起こり得る事かもしれない、と考えて読んで頂けたら幸いです。

 

ある日突然、自分が大病だと判明して長期間入院しなければいけないと想像してみてください。しかも、生きて家に戻れないかもしれない。

 

そんな状況でも、闘病を支える家族の負担を危惧してしまう事は、サバイバーにとって当たり前の事です。

 

患者家族は「第二の患者」ともいわれるくらい、精神的、体力的、金銭的な負担は計り知れません。もしかしたら患者本人以上かも、とどちらも体験した私は思います

 

 

人間、歳を重ねれば、いつかは誰しも病気にかかり入院する事もあることでしょう。

 

いざそうなった時に、少しでも心づもりができていれば私のように慌てる事はいくらか少ないかもしれません(^_^;)

 

 

あとは、そうそう、これも絶対言いたかったこと。

 

おかしいと思ったら早めに病院で精密検査!!!

あとついでに医療保険も入っておくと安心!!治療費は、湯水のように流れていきます(T_T)

 

若いからと油断してはいけません!もちろんお歳を召した方も。

 

身近にサバイバーがいないと実感しづらいものですが…本当に、ある日突然やってくるものなんです。

  

どうか私を参考に、体調が優れないときは早めに病院行ってくださいね

 

て、私もか。笑

12月からずっと調子悪いけど家薬で様子見中…冬は崩しがち…

 

 

それではまた(^^)

 

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白血病判明の一週間前に行ったお花見。この時は穏やかな時間だったな…この子もまさかママと離れる事など想像していなかったことでしょう。